住宅の設計をしていると、その建物に必要な家具やカーテンなどインテリアにもこうして欲しいというものがあり、施主に建物のデザインを統一してくださいとお願いすることが多々ある。施主の方は、ほとんどの方が初めてのことなのでいろいろな書籍を観ては、ほとんどの部屋がバラバラのデザインになっている。

 

ご主人と奥様の要望が違っていて、壁紙の趣味もカーテンの趣味も、システムキッチンのデザインもシステムバスのデザインも違う。居間はご主人の趣味でアメリカン、しかし、家具はナチュラルカラーの木目調。キッチンは奥様の趣味で地中海プロバンス風、しかし、システムキッチンは近代的なデザイン、これではせっかくの住居が快適でなくなる。

 

デザインはシンプルで統一感があることが大切で、アメリカンならすべてをアメリカンにした方が快適な空間となる。必要以上にモノを見せないようにして、不要なものは捨てるか隠してしまう。部屋や家具の色は３色程度に抑えて統一する。住み心地の良い家は不便さを楽しむ家でもある。

 

高額な不動産を購入して、資金が底をつき、家具は今までのモノを運び込んでバラバラなインテリアになるなら、賃貸マンションにして、家具を買い替えて統一感のあるインテリアに投資した方が快適な暮らしができる。僕は、ボロボロのアパートをお借りして好きなように内外装を施して、流木などで家具を作り楽しんでいた。