このサイトはJavaScriptがオンになっていないと正常に表示されません

わかるとできる物語 第4章 8 自滅するオーナー様

DSC09062 (1280x721)

僕は30年以上、中小企業の社長をやってきて、多くの社長様の成功と挫折を観てきた。自分自身も、社長業の厳しさを、身を持って体験してきた。社長は、その器の大きさでしか生きられないことを実感してきたので、危ないと思える社長様には、こうしたことをすれば会社は大きくなれないし衰退するとアドバイスしてきたが、彼らは僕のアドバイスを受け入れることがなく自滅していく。

 

上から目線でものを言う社長様も多く、少しでも気に入らないことがあるとすぐに威圧的に従業員を怒鳴りつける。従業員は委縮して仕事をするのでお客様のことよりも、社長の方が怖い。そのストレスから転職するか心をコントロールされるか病むかになり、業績は落ちていく。業績が落ちれば、社長の罵声が飛び交い、益々、社員は委縮してしまい仕事にならず、業績は落ちていく悪循環に陥る。

 

社長が、日頃頑張っている従業員と飲食を共にする場合、社長が1000円の定食を注文したとき、従業員が1200円の定食を注文すれば、途端に社長の機嫌が悪くなる方も多い。社長は、従業員が社長よりも高いものを注文したことに腹を立ててしまう。社長は露骨に、気に食わない従業員に嫌味を言ってしまうので、従業員のヤル気を削ぎ、せっかくの場が台無しになってしまい業績を下げていく。

 

社長仲間が多い方の場合、社員総会を開いても社員の慰労会ではなく、社長が法人会や経営者セミナーで知り合った方々を来賓としてお招きして、彼らのために自分がどれほど社員教育に熱心で、社員がどれほど自分に忠誠を誓っているかを見せびらかす内容になっていることがある。強制されたプログラムを来賓にみせるために駆り出され、現場の仕事ができなくなり従業員はヤル気を失くし、業績を落としていく。

 

好業績の会社運営をしている社長が、誰もが憧れるような超高級車に乗って仕事をしている場合、安い普通車にしか乗れなくても頑張って働いている従業員に、自分の超高級車を自慢して「これ、さわらしてやるから洗ってくれ!」などと言ってしまい従業員のヤル気を削いでしまって業績を落としてしまう。超高級マンションや超高級ブランド品でも同じことで、従業員に見せびらかすような行為は慎むべきだと思うができない方が多い。

 

従業員数10人にも満たない会社なのに、自社の改革に経営コンサルタントに頼り、自分はセミナーに行ったりゴルフに行ったりして現場に足を運ばない。本社SVが来たときは、内容を聞き取り、自分が現場に入らない。自分は社長だから現場に入るのではなく、資金繰りや付き合いなどやることがあると現場に入ろうとしない。現場のことが分からないので、赤字になっても社長は来なくてもよいと言われ倒産した方もいる。

 

少しでもお金が入るならと感情的で、大きな視点を欠き、違法行為もやむなしと思い込んでいる。FC本部に対してはいつも批判的。自己都合な発言が多く、研修会などやってくれないと周りに話すが、やっていないのではなく、来ないだけ。不正行為を行い、発覚すると自分は被害者だと感情的になって怒り出す。目先の儲けに目がくらんで信頼を失くして倒産する社長もいる。

 

業績不振の言い訳を従業員やFC本部のせいにして自分は頑張っていると思い込んでいる社長。従業員は社長がいっしょに汗水たらして働いてくれないと不満を持っているが、感情的な社長のため本音が言えない。反省することがないので、他人の行動評価には厳しくても、自分の行動評価は甘い。自分だけは社長だから特別な存在だと思い込んでいるため赤字になっても反省することがない。

 

お子様が自社で働いてくださる場合、お子様を特別扱いにしてミスをしようが遅刻をしようが感情的になろうが、すべてを許して叱ることがない。つけあがった子供は社内で好き勝手な行為に及び、従業員の信頼を失くして業績を落としてしまう。お子様が現場の信頼を得るように、親よりも立派に動き回り、親に話して憎まれても現場の改善を大切に思えば業績は良くなるのに親が甘やかして自滅する。

« »