決済が降りれば止められない
太平洋戦争で最悪の作戦だと言われているインパール作戦。立案者は第15軍司令官 牟田口陸軍中将で、標高2000m級の山々を乗り越えての進軍に多くが反対意見だったが、強硬な牟田口の姿勢に、「そこまで言うならやらせてあげよう」という態度になっていく。上司は計画の中身を検証することなく物資補給のジンギスカン作戦も早々に破綻する。
水牛や羊は使い物にならず報告するも、それでも強硬姿勢は変わらない。イギリス軍を甘く見ているため、スパイ活動や偵察も行わない。5万の日本兵(インド国民軍6,000人)に対して15万ものイギリス兵が待ち伏せていることも知らず進軍し、多くの死者を出している。決済が降りても途中で検証がなされない態度は今の日本企業にも当てはまる。
あいつがそこまで言うならやらせてあげようと分析検証もせずに決済する。決済されたことはどんなに赤字を出しても止めようとしない。中止の命令は上司の仕事だと思い込んでいる中間管理職。赤字を出して中止にしてと言うのはプロジェクトの言い出しっぺの役割。結局、多額の赤字を垂れ流して会計監査で表面化になってから中止の決断がなされる。
政治の世界でも、これまでの慣習が重視され改善や改革は既得権益を侵害すると猛反対。それで国民が苦しもうとも知らん顔。選挙では国民受けする公約を掲げているが、そのツケは子孫が払えばよく、大切なことは自分が当選すること。官僚は天下り先を確保するため身の保身が大切。