社長 それをやっちゃいかんでしょ!その壱拾四
ビジネスはよく戦争に例えられる。いっぽうは社会への貢献であり、いっぽうは敵を殺す行為で、方法と目的は全く違っているが、必勝の信念という意識レベルではまったく同じこと。ライバル他社を抹殺するぐらいの勢いやヤル気が必要だし、日本制服、世界制覇するという天下布武の意識がなければ、社員に同業他社よりも高給を支払うことができないし、支払う意欲と目的がなければビジネスをしていて面白くない。
如何なる戦争においてもハンディを背負った側が勝利するパターンに共通しているのは、そのハンディを相手も見抜いているので、それを逆手にとって攻める攻撃力と、圧倒的有利な敵を打ち倒せると大確信を持って秘策を豪語する社長の勢いが必要になる。相手の強みと弱みを見抜き、弱点を一気につく。そこには何の言い訳も愚痴も弱音もなく、やるのが楽しくて仕方がないという人生を賭けた戦い。そこで勝利してからは一気に駆け上がる。
2万5千といわれる大軍を率いて尾張に侵攻した駿河の戦国大名である今川義元・今川氏真親子に対し、尾張の大名・織田信長が少数の軍勢で本陣を強襲し、今川義元を討ち取って今川軍を退却させた桶狭間の戦いでも、織田信長は兵士が少ないからできない、応援がないからできない、資金がないからできない、などと兵士に言っていたら、負けて死に絶えていただろう。
人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢まぼろしのごとくなりなのだ。あっという間に人生は終盤を迎える。おもしろきこともなき世をおもしろく するのは自分自身であり、社長の一念である。社員をまとめて「この日本、この世界、俺たちの会社の商品とサービスで、埋め尽くしてみせようぞ!」と豪語すればよい。そのために、皆の命は預かったと言い切ればよい。人生の最後に、「どうだ、みんな面白かったな」を辞世の句にすればよい。