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おまえには期待しているんだ!というハラスメント

 

上司は部下を指導育成しようと「おい!いっしょに飯を食いに行こう」と誘うことがある。断り切れないので誘いに乗るが、「俺の若い頃はがむしゃらに深夜早朝まで働いたものだ!」自慢話が始まる。若い部下にそれぐらいの気合で働いてほしいということだが、今どきそんな話は通用しない。

 

営業では、飲みたくもないお酒を飲み、笑いたくもない話に付き合い、家族にはいつになったら帰ってくるの?と叱られ、それでも深夜まで飲食に付き合わされ、帰宅すると家庭を顧みないと妻に叱られ、上司に早く帰宅したいと訴えると、「おまえには期待しているんだぞ、文句を言わずに付き合え!」と肩をたたかれる。

 

仕事ができて上司になった管理職ほどこうした傾向が強い。社長からしてこうした会社もあり、飲食に誘うのが会社の団結につながると信じ込んでいる。こうした場では、部下は社長といっしょに飲食しても気を使うだけで美味しくもなんともないが本音は言えない。何も言えずに転職していく。

 

僕はできるかぎり社員を飲食に誘わないし、営業ではできるだけ勤務時間内に収めるようにお願いしている。自分が社員のときに同じ自慢話ばかりの上司と飲食して楽しいと思ったことがないからだし、深夜の営業ほどバカバカしいものはなく、酔っぱらっているだけで仲間だと言って喜んでいる。

 

飲食に付き合わない社員がいると、「あいつはダメだ!」と決めつけて村八分にする。自分だけでなく部下にも無視しろと暗に促す態度、忠実な部下には「おまえには期待しているんだ!」と言い、深夜早朝まで飲食に付き合わせる。これこそハラスメントだが気が付いていない上司は実に多くいる。

 

会社が大きくなると従業員からの訴えに社長である僕は謝ることが多くなる。ハラスメントを社長に訴えてくださるのでまだやっていけるが、もしも、僕自身が何かしらのハラスメントをしたり無視していたりすれば、この会社は退職者が大量に出て運営できなくなっていると思う。

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