社会保険に入らない企業は多い
社会保険は労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金の4つ。労災保険、雇用保険は、法人、個人を問わず労働者を1人でも雇用した場合は必ず加入しなければなりません。雇用保険に関しては1週間の労働時間が20時間以上で31日以上雇用見込みの従業員のみが対象です。また1週間の労働時間が20時間未満の場合は本人が希望しても加入することは出来ません。
個人事業の場合は労働者が5人以上の場合は加入するのは義務ですが、5人未満の場合は任意加入になります。また、パートの方は週の所定労働時間が20時間以上、勤務期間1年以上またはその見込みがあるとき、月額賃金が8.8万円以上、学生以外の方については、社会保険に入らなければなりません。ただし、個人経営の飲食店では任意加入となっていて従業員には辛い状態です。
社会保険は、従業員と雇用主の両方からほぼ同額徴収しますが、雇用主は加入することを嫌うのです。月収30万円の方が、毎月4万円の社会保険料を支払っているとすると、会社も同額負担しますから、実質会社からの月収支払いは34万円です。社会保険に入らないで月収34万円と書いて募集する方が応募する方が増えるので飲食店などはこちらを選びがちです。
月収が多いからと就職しても、社会保険に加入していなければ自分で国民健康保険に加入しなくてはならないですし、退職しても失業手当は出ません。仕事中に怪我をしても労災保険金はおりませんし、老後の厚生年金も貰えません。従業員にとって不利な条件が重なっています。従業員にすれば、会社も負担してくれる健康保険料の方が全額自己負担の国民健康保険よりも当然安いです。
おおまかでは、給与の15%程度を会社が負担して納付し、従業員の方は14%程度給与から天引きされて負担しています。会社の方が負担する額は若干多くなりますが、知っている従業員の方は少なく、給与から天引きされているのは税金(所得税)だと勘違いしている人もいます。会社が赤字なら法人税は支払いませんが、従業員の社会保険料の負担分は支払う義務があります。