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パートは使い捨て、正社員は奴隷

 

有名な飲食店では、行列ができマスコミにも取り上げられて旬のタレントなど有名人も訪れてくる。憧れの有名店で働きたいと思っている若者も多い。社長は人気タレントのように取材を受け、有名人とお友達になり、彼らと同列に評価されるために有名ブランドに身を包むようになる。厨房で腕を振るうことがなくなっていく。

 

車は勿論、高級外車で仕事が終われば高級クラブのビップルームで旬のタレントやスポーツマンといっしょにお酒を飲む。まるで夢のような暮らしに自分は成功者でとっても幸せだと満足している。お店は行列待ちが当たり前で接客もお客様をさばくのに必死。店員も疲れているが有名人が来るので我慢している。

 

疲れ切った店員をさっさと退職させて、働きたいと思っている人を雇う。安月給でもあこがれだけによく働いてくれる。ひっきりなしにお客様が来る厳しい職場なので、厨房はイラついてすぐに疲れきってしまうが、いたわるよりも退職させて新しい人を雇う。パートは使い捨てで正社員は奴隷になる。

 

1時間以上行列に並び、飲食する時間は20分ほどもない。写真を撮ってネットに投稿して追い出されるようにお店を出るが、それで満足しているお客様は、マスコミに踊らされている人たちでしかない。別のお店がマスコミに取り上げられるとそちらに動いて振り向きもしない。

 

やがて行列が途絶えて業績は急降下。有頂天になっていた社長は店員が悪いと罵倒するようになり辞めていく。残っているのは転職もできない社員ばかりになり、益々お店の評判は落ちていく。ラーメン、ベーグル、ロールケーキ、イタリアン、カフェ…どれほど多くのお店がこうして消えていっただろう。

 

贅沢が身につき、上から目線でモノを言うようになった経営者に助けを出す人はいない。高級スーツに身を包み高級ブランドの腕時計をして収入がない破産社長。雇ってほしいと面接に行くと、身なりに驚く人事担当者は雇おうとしない。儲かっているときほど従業員と一緒に汗を流しているべきだった。

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