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同一労働同一賃金の落とし穴  

日本企業は終身雇用・年功序列を約束するために、同じ仕事でも勤労年数によって賃金をアップしている。毎年の昇給が楽しみなのに同じ仕事を毎年、同じようにしているのだから同じ賃金で良いという話しにはならない。新入社員と同じ仕事をしている10年以上勤務している社員とは明らかに賃金に差をつけている。

 

欧米であれば同一労働同一賃金で、新人と同じ仕事をしていれば同じ給与しか支払われない。そこで出世を望んでスキルを高めたり、個人の成果を高めたりするよう努力する。毎年、スキルアップしてドンドン会社が儲かる提案や実行をすることで、自分をアピールしなければ昇給は望めない。

 

10年以上勤めていても、同一労働であれば新人さんと同じ賃金で良いのであれば日本の産業界から歓迎される。パート社員、契約社員さんと正社員の賃金格差を解消する口実になる。つまり、正社員の賃金を縮小あるいはストップして、その分をパート社員や契約社員の昇給にあてる口実となる。

 

初任給を上げて昇給を下げれば、支払い人件費の総額は変わらない。企業にすればパート社員や契約社員の昇給によって雇用の確保がしやすくなる。成果を出せない正社員には国の方針で昇給できないという大義名分が成り立つ。仕事のできない正社員を抱える必要がない。

 

もちろん、仕事のできる(会社に利益をもたらす)社員はドンドン昇給しなければならないので、欧米のように管理職や高度な技術職になるほど高給取りになる。僕の会社のように家族主義でやってきた会社にとっては、能力や成果主義の同一労働同一賃金制度の推進によって昇給しづらい状態となっている。

 

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