企業の平均寿命は30年
会社の業績は、そこで働く人々の総合力で決まる。そこで働く人々の協力があって、皆で汗水たらして頑張っているが、それが楽しいと思える会社は儲かっているだろう。創業の時などはとても儲かる時期だが、儲かっている時は、皆が素直で社長の意見に従っているときだろう。
長く働くようになると、そこで働く人々も経験を積むようになり、各自が貢献感も仕事に対する誇りもあり、それぞれに素晴らしい意見を持つようになる。素直に社長の意見に従っていた従業員も部下を従えるようになり、自分の意見をしっかり持つようになる。こうなると、意見の食い違いが生まれてくる。
若い頃は、自信を持って経営していることに反抗され無視され、泣き出す社員や椅子を蹴飛ばす社員がいても、自分の意見に従ってもらえるまで何度も対話を試みて、胃痛になってもやり遂げていた。最後まで反抗的な管理職を解雇して業績を立て直していたが、その度に、自社内から非難中傷されることになる。
体調を崩してからは昔の元気はない。皆の意見を集約して皆が納得するモノに意見をまとめて商品開発や営業に出向くようになる。上司の意見はバラバラで、部下の意見もバラバラだが、皆が何となく納得している状態はぬるま湯に浸かっているようなもの。業績は次第に下降しだすが、それもまた自然の成り行き。
誰もが衝突を嫌い、誰もが自分の意見を少しは通したいと思い、誰もが自分はこの会社に貢献していると思いたい。社長も、昔のように皆をグイグイひっぱって意見の食い違いがあれば解雇してでも自分のやりたいことを押し通す頑固さはない。会社に貢献してきた従業員を優しく見つめるだけになる。