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35年ローンの悲劇

 

住宅ローンはかつて20年が最長だったし、融資の審査も厳しく、働いている間に返済できるように期間を設定していた。しかし、銀行の儲けがしらが住宅ローンの今では35年ローンが当たり前になっているし、定年退職後のローンも通るようになっている。

 

35歳で4000万円のマンションを購入し、頭金300万円、ローン3500万円だとすると、毎月均等割りの返済額は93000円ほどで今住んでいる家賃よりも安いのが購入動機になっている。でも、60歳で定年だし、50歳からは減収になるので20年で返済を考えると毎月の返済額は16万円。

 

35歳から35年ローンを組めば70歳まで返済が続くが、最長65歳で定年だとすると、残り5年間をどのように返済するのか全くの未知数。退職金で返済すれば、老後の資金は底をつくのかもしれないし、中小企業では退職金制度がない企業も多い。

 

大手の企業だって、35年間働いて円満退社などという従業員は少なくなってきている。中途採用で15年ほどしか働いていない状態での退職金は実に少ないのが一般的。どうにかなるさてきな発想で不動産を購入していると定年後にとんでもないことになりかねない。

 

お金に困れば売って現金化すれば良いではないかと不動産の営業マンに言われたが、実際、今から35年後の日本ではかなり人口は減少気味になり高齢者が増えているし、都心でも介護が必要な老人が多くいる状態。空き家は3件に1件ほどの割合になり、そんな状態で売れるのだろうか?

 

購入したマンションは、築35年で老朽化し、大規模修繕が必要なのに住民のほとんどが定年後になり修繕積立金の不足分を補えない。購入しても、ご老人が多く、水漏れやひび割れがひどいマンションが売れるとは思えない。35年後の日本を想定してから購入する人は少ない。

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