流行を求めないファッション
季節ごとにファッション雑誌では、この季節のトレンドを紹介する記事がある。今年は、チェック柄が流行り、トラッドな洋服に合わせましょうなど…。そのたびに、お客様はお店に行って、今年のトレンドに乗り遅れまいと洋服を購入する。それが自分に似合っているかどうかは問題ではない。
僕は、こうしたトレンドを追い求めるファッションは昔から嫌いで、自分の好みに合った洋服を探すようにしている。自然と古着に行きつき、気が付けば購入している洋服のほとんどが古着になっている。自分好みな古着なので、どのお店にも売っていないオリジナルファッションになる。
80年ほど昔の洋服や去年の洋服などを組み合わせて、自分のセンスで着こなしている。Gパンは60年ほど昔のフランス製、ネクタイは80年ほど昔のパリから購入、ジャケットは40年ほど昔のアメリカ製など、誰にも真似ができないファッションになる。今年の流行とは程遠いファッション。
古着なのでインターネットで検索して世界中から古着を購入している。ほとんどの商品は安く購入できるが、一部はビンテージだからと驚くような高値がついていたりする。そうした商品は購入しないが、おそらく余程のマニアかお店のディスプレイに使うのだろう。ボロボロだが美しいと感じる。
何十年も昔の古着は、それをデザインした人、糸を紡いだ人、その糸から生地を作った人、その生地で縫製した人など多くの人の手による丁寧な手仕事を通して完成している。何十年も経っているのに、現代の洋服よりしっかりしている。生き残ってきた洋服の良さを感じる。