欲しいモノがない時代
昭和28年生まれのモノがない時代に田舎で生まれた僕は、お買い物が大好きで暇があれば都会に出向き、何を買うでもなくウインドーショッピングを楽しんでいる。家にモノがなかった頃は、欲しいモノでお店は満ち溢れていた。何軒ものお店を見比べてお買い物をして楽しんでいた。
洋服が溜まり、食器が溜まり、家具が溜まり、生活が豊かになるにつれて欲しいモノが徐々になくなってくる。必需品が揃えば、趣向品となり、よほどこだわったモノでなければ購入しなくなる。今は、そんな時代で、雑誌で取り上げられる流行に敏感に左右されない時代。
代りに、非常にこだわったモノが高齢者に売れるが、大量に売れるものではなく、ツボにはまった人でなければ購入しないモノが人気。蕎麦打ち体験、ご高齢者のためのダイビングツワー、離れ座敷のある高級料亭、離れに宿泊できる高級旅館、こだわりぬいたオーガニック食材を使った高級フレンチ…大量消費から少品種小量販売へと変わりつつある。
若い方は、携帯電話代がかさむのでこの反対。安いレストラン、安い民宿、安い洋服(古着も大好き)、できるかぎり予算を抑えて楽しむ傾向にあるのは、昔も今も同じこと。映画を観るならレンタルにして、レストランに行くならお総菜を買ってきて自室でデート、旅行に行くよりゲームで楽しむ。