シニアのための班田収授法
6世紀後半の飛鳥時代から平安時代にかけて、政府から受田資格を得た貴族や人民へ田が貸出され、死亡者の田は政府に返された。こうして貸出された田は課税対象であり、その収穫から租が徴収された制度。田畑は国有地だが、これを国民に支給することで耕作して作物を得ることができ、一部を税として国に治めることで生産性を高めることができる。
少子高齢化で人口減少の日本では、耕作放棄地も増えてきているし、年金暮らしの高齢者が働き口を求めてもなかなか、パート採用がない時代。正社員の採用があると、月収によっては年金が減額されてしまう。やることがなく、孤独になり引きこもりのご老人も増えており、しかも、高齢者への医療費の増大も馬鹿にならない。いつまでも、健康で元気なご老人に活躍していただくためには班田収授法が良いかもしれない。
僕が住んでいる田舎では、早朝から畑に出て働いているご老人の方が非常に元気で健康。その理由は、朝から畑に出て働いて、雨の日でも風の日でも、作物という命を丹精込めて育てることは幾つになっても喜びで、「毎日、大変だよ!」と笑顔で愚痴をこぼしているが健康的な生活をしている。畑で作った作物は自分が食べることを優先し、余れば近くの産直市場に出しても良い。
こうしたことから、60歳になり定年退職した男女に休耕田畑を国が貸し与えると健康にも良い。国は全国各地の耕作放棄地を買い上げて、60歳になった男女の要望にお応じてこれを貸与し、耕していただくことで年金額を減らしても生活レベルを落とさないで暮らせるし、畑仕事をしていれば健康になる。余った作物は産直市場で販売すれば現金収入にもなる。耕作放棄地を有効活用することもできるし生産性は上がる。