自分を認めてくれない
年を重ねると多くの経験から反省するより、注意する方が多くなっていく。何しろ、自分より年下の者が多くなり、年上の自分は彼らより頑張って生きてきたという自負がある。若い彼らから注意されたら、お前のような若造が何を言っているのだと反対にやっつけたくなる。
気に食わないことがあると、それを執拗に話している。気になることがあると、それをしっかり教えてあげようと思ってしまう。たとえそれが自分の思い過ごしでも、そんなことはないと自分に言い聞かせているので反省することはない。いわゆる固まっているおっさんやおばさんになっていく。
老化とは、反省できずに反撃することで自分の立ち位置を確保する巧妙なすり替えをする人のことをいうのかもしれない。若い頃は、年上の人から「お前なんか、認めてもらうには10年早いわ!」と怒鳴られながら頑張ったが、年を重ねると、そうした素直さはなくなり怒りだけがこみあげてくる。
キレる老人が増えているのは、若者から指摘されることを極端に嫌い、感情的になってしまうから。自分の思い通りにいかないと感情的になり、強引に自分の思いを押し通す人になってしまう。自分を認めてくれないという前に、他人を認めなければならないことに気が付かないでただ感情的になってしまう。
僕は、去年65歳からサーフィンを始め、若者にアドバイスをしてもらっているが、素直に彼らを尊敬し感謝し挑戦し、失敗して笑われることが楽しくもある。疲れ果ててビーチで着替えをしていると、スッとお茶のペットボトルを差し出してくれる。彼らの目は、おっさん、ようやるよと言っているよう。