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光陰矢の如し

 

月日の経つのは矢のように早いと68歳になると実感する。若い頃はご高齢者を見るとさぞや立派な人なのだろうなと思ったものだが、いざ自分がその年になると子供の頃と何ら変わりない。感じ方も子供の頃と同じなら、言動も子供の頃と変わらない。

 

素敵な女性を見ればあんな女性が恋に落ちるのはどんな男性なのだろうと羨ましく思い、公園などで水遊びしている子供たちを見るといっしょに遊びたくなる。美味しいものを見ると食べたくなるし、叱られると逃げたくなる。

 

心は子供の頃と変わらないので、ご老人扱いされると嫌な気分になる。しかし、鏡に映る自分を見ればすっかり年老いている。サーフィンすれば昔のようにすいすいできない。焼き肉を食べれば翌日は胸やけがする。肉体的には老けているのを実感する。

 

若い人から尊敬されると、まだまだそんな年ではないと思う。それほど時の経つのは早いもの。のんびりして気が付けば40代、まだまだ若いと思っていると50代、それでも酒屋で呑んでいると還暦を過ぎる。自分の人生、もっと何かしておけばよかったと後悔する。

 

幾つになっても気づく時が好機だと思って何でも挑戦してみることだ。笑われたり、叱られたり、あきれられたり、なんて子供の頃と変わらないことをやってみれば面白い。忘れかけていた感情がよみがえる。まだまだ、捨てたもんじゃない。

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