悟らないという悟り
悟りの境地を目指して修行しても、俗世間にまみれると平常心をなくしてどう振舞えばわからなくなる。修行ではひとつのことに集中できるし、課題もひとつに限られている。悟りを得るまでじっくりと時間をかけてのんびりできるのが修行。
しかし、俗世間では同時にいくつものことに注意しなければならないし、いくつもの課題を抱えている。しかも、瞬時に次の課題が出されて、前の課題を抱えたままで対処しなければならない。適応能力にたけていなければストレスをためてしまう。
そこで、ひとつひとつの課題にはあまり集中せず、こうしなければならないなどと思うことなく、こうならなければならないなどと感情的になることなく、良い方、悪い方どう転んでもイイやという心がけをしておく。
良くなる方に努力はするが、結果はどうなるかわからない。悪い結果になったとしても、あらかじめ予測していれば落ち込みは少ない。つまり、シャバ世界では悟らないという悟りが肝要になる。