このサイトはJavaScriptがオンになっていないと正常に表示されません

あいつは俺より劣っている

人には、自分をより大きく見せたい、カッコよく見せたいという見栄がある。経済の原動力ともいうべき見栄によって、人は話し相手が自分よりも劣っていると安心するという癖がある。俺の方が収入は多い、私の方がブランド物を持っている、俺の方が一流企業で働いている、私の方が綺麗に見られている・・・といった状況の時は気分がよく、その反対の時は卑屈になっている。

 

ブランド物のロゴがわかる商品を持っている優越感、高収入だとわかる乗り物や不動産に住むこと・・・自分の方が見栄比べでは勝っていると思っている人が、見劣りしていると思っている相手に負けたとき、「何だ、おまえ偉そうに言うな!」と軽蔑するような態度に変わっていく。自分から自慢していても、「お金の話なんかするものじゃない!」と話し出す。

 

ビジネスクラスに座る人は自慢しがちだが、ファーストクラスに座る人は謙虚だと云われているように、こうして、本当に高収入な人、ロゴマークなど目立たない高級ブランドを身につけている人は、本当のことを言わなくなる。つまりは、謙虚さを身につけるようになる。目立つブランド品を避けるようになるのだが、江戸時代にも粋な人は同じ考えをしていた。

 

« »