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嗚呼、お父さんあんたも愛に飢えていたんだね

子供頃は毎日母親と僕に暴力をふるっていた父親だが、70歳を超えた今ではそう思う。高校中退の18歳の妻と郵便局員の20歳の旦那。若い夫婦で親から勘当されていたので、お粗末な貧乏暮らしで始まり、父親はとても養えないと思い、子供をおろしてくれとお願いしていた。

 

最初から、つまずいて夫婦になったので仲は良くない。毎日、憂さ晴らしに飲み屋で酔って帰ってくる。幼い妻は赤ん坊の僕を抱えてもっと協力してくれと訴える。だから、おろせと言っただろうという気持ちがあるので腹が立って酔いもあり暴力をふるってしまう。結果、余計に夫婦仲が悪くなる。

 

こうした情景を見て育っているので、幼い頃から僕は父親を睨むようになる。その目つきに腹が立つ父親は益々飲み屋通いをしてしまう。家族と仲良く過ごそうと旅行しようとするが身支度に時間がかかる妻を見て腹が立ち叱ってしまう。せっかく仲良しになろうと計画した家族旅行は無言旅行になってしまう。

 

何度も夫婦仲を良くしようと父も頑張ったのだろうがうまくいかない。父から勘当され30歳になった僕は借金の返済も完了し、父に感謝の手紙を書き、母親の献身的な態度に父の態度も変わる。父が還暦を迎える頃、僕たち家族はやっとお互いに愛し合える家族になる。父が望んでいた家族になり、74歳のとき満足して死んでいった。

 

 

 

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