社員の昇給期待と会社の昇給期待
外資系企業で働く人が入社6年だが、初任給のままでいっこうに昇給しないことへの不満を話してくれた。外資系企業には年功序列や終身雇用などの制度がないので、彼に、「入社6年で仕事内容は変わりましたか?」と聞いた。外資系企業のあるある相談。
彼は、何も変わっていないと答えたので、それなら昇給しなくてもよいと判断されますと答えた。同じ仕事を同じ内容で6年間、やり続けているだけなら同じ給与で充分だと会社は判断する。昇給するには毎年、今の仕事以外に何かできることをプラス(成果主義)してください。
例えば、今の仕事を効率化するためにAIをこのプランで、この予算で、この時期に導入すれば、これだけ効率よくなり、人件費はこれだけ削減できますなどという提案をしてください。それが採用されれば、削減できた分の何割かの昇給が期待できます。指示された仕事だけなら昇給は無理。
会社はどれだけ真面目に指示されたことをやり遂げるかだけでなく、それ以上に何ができるのかを問いかけています。それが年に何回かの上司面談(キャリア面談)です。そこでの発表内容によってあなたへの評価が与えられますから注意してくださいとアドバイスしてあげた。
どんなに会社の業績が良くてもそれに貢献しているあなたの仕事が去年と同じなら年収は同じです。あなたの会社への貢献度はあなた自身の利益という数字で判断できます。そこが日本企業と外資系企業の違いです。外資系企業では社員は利益を出すための道具でしかありません。
外資系企業で昇給を求めるなら、いつも新しいスキルや知識を身につけて、いつも会社の利益になる提案やプラン、事業計画を発表して目立つことです。ビジネススキルを磨き、人脈を作り、投資家と親しくなる。つねに上を狙うどん欲さが求められます。そうした積み重ねが昇給や昇進につながります。


