ジキル博士とハイド氏
人間の二面性を描いた小説で映画にもなった。人は環境によって言動が変わる。チヤホヤされていると傲慢になり、痛めつけられていると顔色をうかがって謙虚になる。有名タレントは自分が有名だと証明するかのように相手に傲慢で意地悪なことを平気で行うのはよく聞く話。
俳優やタレントは、番組の最中は人がよさそうに振舞っているが、本番が終わると途端に人が嫌がる人物に入れ替わる。会社でも上役の人は、部下に対して傲慢で嫌みな態度をとるようになる。自分はおまえより偉く、おまえの人生は俺の一存で決まるかのよう。逆らえば逆上する。
子供の頃はそうでもなかったのに、大人になり努力が報われて偉くなると、人が変わったように意地悪く振舞うようになる。独占欲も強く、征服欲も強烈で、いつも連絡させて指示することで相手を好きなように支配しようとする。常軌を逸した行動に出ることもあり、驚くこともある。
相手への配慮はなくなり、自分の欲望のままに相手に意地悪を行い、相手を見下し、バカ呼ばわりし、相手を痛めつけることで優越感を満たす。目上の人にはこびへつらい、ファンの人には愛想よくし、好人物を演じている悪魔のような人。こうした二面性のある勝ち組の人も多いが醜いだけだ。
誰にもあるこうした二面性は、理性によって抑えられているが、理性を失くすと人は欲望のままに行動するようになり、他人に多大の迷惑をかけても気付かないようになる。八つ当たりなども、理性を失くした結果で、よほど注意しないと犯してしまう。理性でもって自分をコントロールすることはとても大切。