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白を黒と言っている人にそうですねと言える配慮

幼い頃、夕ご飯時に父親とスーパーの特売の卵の値段で口論になったことがある。近所のスーパーで僕の友達のお父さんが経営している。そこで遊んでいたので値段を知っていた。父親の思い違いの値段を訂正すると父親が怒り出した。

 

間違いは父親の方なので僕は自分の方が正しいと言い張った。口論になり、父親が僕の夕ご飯を取り上げて食べるなと言ったので、腹を立てた僕は外に出ていった。父親が外出したので家に戻ると母親が夕ご飯を出してくれた。

 

母親が、「おまえはつまらないことで喧嘩をする小さな男やなぁ」と言った。キョトンとしている僕に、「卵の値段で食事をなくすのと間違いを訂正せずに食事にありつくのとどちらが得か考えてごらん。男はつまらない喧嘩はしない方が良い。」と諭された。

 

生きていれば、相手の間違いに気が付くことは多々ある。あるいは、自分の主張を押し通したいこともある。そんなときに母親の言葉を思い出して、相手に同調してその場をやり過ごすようになった。安っぽい口論は避けるようになった。

 

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