企業が求める人材とは?
医者として就職、あるいは設計技師として就職すれば当然、医学や設計の技術を身につけていると企業は思う。しかし、雇用した人にそのスキルがなく、ここには研修制度がないのですかと言えば即解雇されるだろう。企業研修などの制度があるのは日本ぐらいで、世界はできる人を採用する。
日本でも昔はスキルの研修制度はなかったが今はある。優秀な学生を雇用しても日本の学校で教えているのは実務とかけ離れているからで、企業はどうしても実務研修しなければ働かせられない。しかたなく日本独自の研修制度ができてきたが、欧米の学校では企業が求める技術や知識を教える。
僕が30年以上も前に欧米の学校に行ったとき、一番驚いたのは学習内容が職業に直結していること、学生が先生を評価してダメ先生は解雇されるか大学で再勉強しなければならないことだった。日本では先生を生徒が評価する制度はないし、実務の教育はほとんどなく社会人となる。
企業研修を受けなければ仕事ができないということは欧米から見ればおかしな話で、本来こうしたことは就職する前に学んでおかなければならない。日本企業が海外に進出して海外の学生を雇うようになると、こうした実務を学んでいる学生と競い合わなければならない。当然、多国籍企業は日本の学生は求めるレベルにないと評価する。