心から死んでゆく
平均寿命と健康年齢の差は約10年。介護を10年以上受け続ける人もいれば、ほとんど介護を受けなくても大丈夫な方もいる。その差がつくのは心の持ち方だという。老いてなお興味を失わず、学ぶ姿勢を失わず、謙虚な姿勢をなくさず、独立自尊の精神を失わず、生きる夢と希望を持ち続けているかどうか。
頑固になり、相手を受け入れることなく、反省する気持ちをなくし、何にでも自分が一番だと傲慢になり、謝る気持ちを失くし、相手に謝罪を要求し、相手を屈服させ服従させることが当たり前だと思うようになり、口うるさく言うことが相手のためだと心から思ってしまう。
暴飲暴食は当たり前で、仲間を引き連れて毎夜豪遊して、酒のない人生など生きるに値しないと豪語する。酒も飲めない奴は話にならないと相手にせず、タバコをふかして自慢話に花を咲かせている。傲慢態度は心をむしばんでいくが、全く反省できず、徐々に身体を壊していく。
あるいは、落ち込んで何もする気が起こらず、自分は何もせず他人に食事の用意をさせ、家事一切はやらず、ただボーっとしているだけでため息をついて、涙を流して悲しむばかりで、寂しさに打ち震えて、自分などは死んだほうがましだと思い、愚痴や不満ばかりが口から出てくる。
心から腐っていき心から死んでゆく人は身体も徐々に死んでいく。身体に変調をきたし病気がちになり介護が必要になっていく。心から死んでいく人は、身体が健康でもその細胞に病気になれというシグナルを送っている。素直な気持ちになり、心から反省して、心を入れ替えないと健康で長生きはできない。