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わかるとできる物語 第4章 5 独立するオーナー様

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加盟校指導に慣れてくるオーナー様を放置すると、業績の良い加盟校様は「わかるとできる」パソコン教室から独立して、自分たちだけのFC本部を立ち上げようとする。映像授業は自分たちで制作して、ロイヤリティーも授業料も「わかるとできる」パソコン教室よりも低価格で生徒に提供できると宣伝して仲間を増やしていく。

 

FC本部はこうした動きを止めることができず、幾人かのオーナー様が独立した。真似するFC本部は、人気講師の真似をする講師なのでオリジナルに劣ってしまった場合、授業料を下げてビジネスモデルを構築するしかアピールするものがない。そのため、薄利多売になりインストラクターの給与は安くなり、サービスは低下する。

 

チラシには1時間888円などと安売りをアピールするが、生徒様へのきめ細かいサービスは切り捨てざるを得ないし、インストラクターは安月給になる。映像授業の先生はお金儲けがしたくて独立しただけなので、少しでも嫌なことがあるとヤル気を失くして辞めていく。ビジネスは、金儲けより人々への貢献や社会を変えるという大志を優先しなければ儲からない。

 

真似をした映像授業の講師は生徒様からの人気を得ることができなくてヤル気を失くす。映像授業の講師は複数になり、ますます人気講師が育てられない。映像授業の教育産業は人気講師が命で、講師に圧倒的な人気がなければ映像授業のビジネスモデルは崩壊する。映像授業型の教育産業では、人気講師がいるかいないかで業績は大きく変わる。

 

BUNちゃん先生の映像授業というオリジナル商品に勝る商品を持っていない真似をしたFC本部は、安売りにならざるを得ないが、薄利のビジネスモデルは多くの資格を取得したインストラクターに安月給しか支払えない。転職する方が高給を得られるとなれば、離職していくのでベテランインストラクターが育たない。

 

結局、真似をしたビジネスモデルは優秀なインストラクターがいなくなり崩壊して、いっしょに独立したオーナー様もろとも廃業していく。「わかるとできる」パソコン教室の直営教室の業績が良ければ、こうした事態は避けられたことだったが、山口常務がどんなに全国を飛び回っても反抗的な態度をとるオーナー様は廃業するまで聞く耳を持てなかった。

 

「わかるとできる」パソコン教室の代表である僕は、すべての映像授業の収録、責任者となっての直営事業部の立て直し、全国の加盟校指導とありとあらゆる面をみなければならなくなった。休みはなくなり、朝から深夜、早朝まで働くようになったが、少しでも楽をしようと思った社長がどうなるかを体験することができた。この貴重な体験こそ、その後の成長にどれほど活かせるようになったかわからない。

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