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ビジネスを育てれば豊かになる

戦国時代、寺社は土倉(質屋で高利貸し)と酒蔵を独占的に経営していたし、座を取り仕切っていた。座とは商品ごとに作られた組合で、米座、材木座、塩座、油座などに分かれ、それぞれ多額の登録料を払わなければ商売ができなかった。また、守護大名や寺社、朝廷の荘園は領地内の所々に関所を設けて通るたびに通行料を徴収していた。

座に所属している商売人は、他の商売人が入ってこないので、座に所属する商売人が、お互いに話し合って商品価格を高値安定にすることができた。庶民の不満を解消しようと、織田信長は関所をすべて廃止し、寺社の特権を廃止して、楽市楽座を行い、日本全国から商人を集めて誰でも商売できるようにした。価格競争が生まれ安く販売するようになり商売が活発になった。

織田家は関所を廃止しても、尾張の津島を持っており、関東から船で京都に運ばれていく物資はそこを通っていた。港では港湾利用税が徴収できるので、楽市楽座にして物流を増やした方がより資金が集まる。強大な経済力を持つ商人ができれば、彼らはその商売ができる織田信長を守ろうと資金を出してもよいと考える。

天下統一のために必要なことは、商人をより豊かにするために徹底したサービスを行うことだった。そのためには、道路すら真っ直ぐに広い道を作り、攻められやすいが物流には都合のよいインフラ整備を行った。強大な軍事力を支え、天下統一を支援した商人はより商売がしやすい世の中を創ってほしいと思った。

政治家が民を豊かにするには、商売がしやすい仕組みを創らねばならない。既得権益を得ている人との衝突を起こしても、世界中で、もっとも商売がしやすい国家にすれば、世界中から企業がやってくる。より豊かになるには、大胆な政策と実行と未来を予見する洞察力が求められる。織田信長に見習うことは多い。

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