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シャッター街と化した地方

 

全国を巡回していると地方の商店街の衰退が著しい。シャッター街と化した商店街をどこに行っても見かけるようになって久しい。空いている店舗は製造販売しているパン屋、総菜屋、和菓子屋などか飲食店。家業としてやってきた傘屋、下駄屋、靴屋、かばん屋、レコード店、肉屋などは廃業している。

 

商店街を歩いている人もまばらで買い物客はほとんどいない。多くは郊外のショッピングモールに車で出かける。暑さ寒さをしのげないアーケードの代わりに大規模店になり完全冷暖房も行き届いている。都会でしか見たことがないお店が開いている。安く販売されているなど魅力いっぱい。

 

そのモールにも業績悪化の波が押し寄せている。少子高齢化でマーケットが縮小している、ネット販売の方が安く購入できる、個人がネットを通じて中古市場に所有している商品を販売するようになった、同じようなショッピングモールが近くにできたなどいくつかの原因が複合的にからんでいる。

 

お客様はネットを通じて多くの情報が得られるようになり、より魅力的な商品を見つけたり魅力的な場所に出向いたりするようになった。寂れた商店街を活性化しようとする動きもあるが限られている。人口減少期になると高齢者は子供たちを頼って都会に出ていく。こうしたトレンドは変えられない。

 

地方でビジネスを起こして成功するには市場を自分がいる地域だけでなく都会をも巻き込む必要がありネット利用は欠かせない。地方にはうずもれている素晴らしい人や技術や商品や場所が残っている。これを今に活かせるデザイナーやプロデューサーがいれば世界中の人が求めるようになる。

 

商店街の活性化もいろいろ試され、これといった決め手に欠けているが、民泊にしたり時間貸しのできる貸店舗や会議室にしたりで面白い挑戦が続けられている。昭和30年代に建てられた木造建築は耐震性もなくもろい安普請の家が多くなるが、味わいのある雰囲気を持っている。

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