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社長 それをやっちゃいかんでしょ!その壱拾六

「人間、引き際が大切」と、よく言われる。社長として、いちばんやっちゃいかんことは倒産。しかし、会社が赤字で身動きのしようがないと感じたときは、皆さんにご迷惑がかかる前に清算する決意を固めることだ。どこまでも諦めないで、金融機関や親せきはもちろん、友人知人を回り資金をかき集め、運転資金にしても、赤字が解消できずに苦しむならば、その前に清算するべき。

 

赤字になると、借金したお金で支払いを済ませていく。従業員の給料も、水道光熱費も、家賃も、業者への支払いも・・・会社の清算、自己破産の手続きに必要な資金も考えないで、最後まで使い果たしていき、生産もできない状態に追い込まれた時、社長は愛する家族がいても自ら命を絶つことを考えるようになる。会社経営にはそれほどのリスクが伴う。

 

「人間、あきらめが肝心」どんなに頑張っても自社の商品やサービスがお客様に通用しない時代に変化した時は、その時代にあった商品やサービスに変えていかなければならないが、それができない場合も多々ある。かつて、どんなに儲かっていた大企業でも、有名な企業でも、その勝ちパターン故に業績を落としていくケースはごまんとある。

 

あの大企業がどうして?資金も人材もあるのに、どうして倒産したの?という事例は多く、資金も人材もない企業が、その大企業に取って代わる。会社も生命体のように、生まれては死に、次の命が生まれていく。自分が死ぬことで、新たな命に生きる場所を与える。引退の時期、清算の時期、最後は綺麗にしていきたいものだ。

 

Amazonというネット企業が世界一の書籍販売店になる前、多くのリアル店舗がネット書籍販売をバカにし、売り上げを伸ばしてくると自分たちも参入し、膨大な資金力にものを言わせて立ち向かったが、アマゾンが独り勝ちした。投資会社で働いていた、たったひとりの男に大企業は敗北し、今やリアル書店はネット書店に参入できないほどアマゾンは大きくなった。

 

リアル店舗の社長は、これまでの儲かるパターンからの脱却ができず、変化に対応するのが遅れてしまう。ネット販売は同じものなら価格で勝負するしかないが、リアル店舗を持っているだけに値引きに限界がある。ネット販売専業業者は、リアル店舗を持っていないので安くしても儲かる。リアル店舗が足を引っ張って価格競争に負けて廃業に追い込まれていく。

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