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一寸先は闇の中小企業経営者

創業者の一族である中小企業経営者は、その会社の全株を保有している親族の一人であり、その会社のすべての人に見られている存在。指示を出すのも社長自らということが多いため、仕事ぶりはつぶさに評価される。高賃金を支払えるわけでもなく、誰もが羨む企業名でもないので、チョッとしたスキがあると、突然反抗的になったり、すぐに辞めていったりする従業員も多い。

 

そこで、中小企業経営者はご家族に働いてもらい経営を安定させようとする。家族や親族の方が社長を立てて必死になって働いてくだされば経営は安定するが、親族であるがために従業員に上から目線でものを言い、文句を言わずにやれとばかりに仕事をさせるようになると従業員の心が離れていき、苦しい業績に陥ってしまう。

 

ご家族に頼らなく、一生懸命になって働いてくださる従業員を頼りにして管理職に取り立てた途端に働かなくなり、上から目線になり、部下の信頼を失くして業績を落とすこともある。そのため、泣く泣く取り立てた人を解雇する事態になり、すべての仕事を任せても大丈夫な腹心と思えるスタッフが育たない会社も多い。

 

結局、中小企業経営者は、みずからが先頭に立ち仕事をこなす以外に好業績を維持することができないジレンマに陥る。こうした事業形態で高齢になり、身体が思うように動かなくなったとき、後継者がいないために廃業せざるを得ない。高齢化が進む農家が抱える問題と同じことが、日本の中小企業にも起こっている。

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