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安売りビジネス

 

安い焼き鳥屋を始めようと業務スーパーに行って、焼くだけの冷凍焼き肉を仕入れる。近隣の焼き鳥屋の販売価格を比較し、そこより10円ほど安く提供する。その値段を看板にデカデカと掲げて、お店の売りにする。お客様はドッと押しかけ商売繁盛になり、多数の店舗を開業するまでになる。

 

海外視察に出かけて、商材の加工場に足を踏み入れて臭い匂いに口をふさぐ。不衛生で汚い。別の加工場では奇麗で衛生的だが、防腐剤や着色料、人工甘味料などふんだんに転嫁して美味しくしている。どうやら安く仕入れられるのには訳アリで健康に問題ありだが、もはや後戻りはできない。

 

ビジネスモデルを真似したお店が隣にでき、お客様の選択肢は広がる。安売り競争になり、もっと危険で健康に問題ありだが、安い商材を見つけてきては販売するようになる。相手も同じ商材で勝負するので、利幅が取れなくなり赤字になっていく。ライバル店も儲からないので我慢比べになってしまう。

 

忙しいだけで儲からない安売り店は国内に多い。自分で食材にこだわって仕入れ、自分でしっかり調理して、お客様に提供するとなると安売り店とは程遠い高額な値段設定になる。290円で提供できる焼き鳥がこだわれば1200円ほどにもなる。その値段で商売しているお店は、多店舗展開はしないし、できない。

 

お客様の健康を気にしていては儲からない。安ければ売れるのだから、さらに安い商材を求めて世界中に赴く。これは安いが自分は食べられない。しかし、輸入することが出来るならと安い食材を買い求めてお店に持ち込み商売繁盛。儲かればイイではないかと自分に言い聞かせる。

 

僕は、安売り商売は嫌いで、こうしたビジネスには手を出さない。安売り商売は、従業員の給与を上げることをできなくするし、サービス残業を強制するようになる。お客様へのサービスも低下するし、お客様を裏切る行為が起こりがちになる。より良い商品やサービスを適正価格で提供できるブランドを創るようにしている。

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