このサイトはJavaScriptがオンになっていないと正常に表示されません

報告・連絡・相談が最優先ではない

 

職場では、報告・連絡・相談をしっかりやりなさいと言われます。しかし、これがかえって現場を混乱させて現場対応が手薄になることもあります。東京電力福島第一原子力発電所の事故では、政府と東京本社への報告・連絡・相談の対応に追われて現場作業が停滞してしまい大惨事につながっていました。

 

政府は現場の作業がどうなっているのかを知りたがり、東京本社はマニュアルに従って指示を出し、現場の混乱を招いているし、大切な情報は現場には届いていませんでした。そのため、放射性物質の放出を加速させる事態になってしまいました。上意下達(じょういかたつ)の組織の欠点が露骨に出たのです。

 

僕は、現場のことは現場に任せるようにしています。現場を自由にさせて、業績が良ければそのままにし、業績が振るわなければ、好業績のチームから派遣して立て直します。企業トップにまで細かく報告や相談する必要はなく、現場担当者が好業績にするために必要としているものを会社は現場に提供します。

 

現場担当者を信頼して彼らの自由にさせて成長を促し、彼らの成長に合わせて業績で判断するようにしています。管理職は、ついつい報告や連絡を重視しますが、もっとも重視すべきは業績で、好業績を維持するには現場作業が効率よく行われなければなりません。そのことを忘れて自分に報告がないと立腹すれば現場の効率は落ちてしまいます。

 

日本企業の業績が振るわなくなったのは、管理職が多く、多くの報告や稟議書の提出と稟議が通るまでのプロセスが長すぎるからだと言われています。人は信頼されるとヤル気になりますが、管理しすぎるとヤル気を失くします。報告・連絡・相談は、適度なものにしなければ業績を下げる原因となることを原子力発電所の事故で再確認しました。

 

僕の会社でも、創業してからいっきに教室数が増えて従業員も増えると、管理職は報告・連絡・相談を重視するあまり、多くの書類作成や報告に多大な作業時間が必要になり、生徒対応や教材研修の時間が取れない状態になっていたことがあります。管理職は、生徒対応もなければ教材研修もないから気が付きません。

 

管理するために必要な書類を作成させて業績を悪化させているということに気が付いた僕は、さっそく業務改善=削減を実行しました。教室現場に入り、現場スタッフが最優先すべき生徒対応に時間が割けるように多くの報告を失くしました。今でも、この作業は続いています。

« »