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わかるとできる物語 第1章 4 ハートのフォーマット

2014-09-23 09.03.27

たくさん対面授業をして、大人の方は、それまでの経験やこだわりが強くなり素直に聞く耳を持ちにくくなる。使っているうちに部屋にゴミがたまってくるように、パソコンもハートも溜まってきたゴミを捨て去り、綺麗にしてから作業をするようにしなければ学習効果は上がらないことに気が付いた。

 

パソコンは使っているうちにゴミがたまるので、フォーマットという作業をして綺麗にした状態で作業をする。同じように、人の心も染み付いた心の汚れを落とす作業が必要だった。社会人が前向きに学習しようと思うとき、それは自分の人生を変えようと前向きになっている時なのでフォーマットしやすい。

 

植田さんと、いろいろな話し合いをして、不遇な人生、落ち込んでいるハート、悩んでいる心、苦しんでいる状態、怒りに満ちているハート、嘆いている状態など、いろいろなパターンに分けて、それぞれ過去の人物や自分自身の体験から、どのようにお話しすればハートをフォーマットできるのか決めていった。

 

とにかく、やる気にさせて学習してくださった方が自分自身で自分の人生を見つめ直して切り開き、如何なる逆境であってもめげない強いハートを持ってもらうように講義の合間にお話しするようにした。ちょうど、北海道の札幌農学校にクラーク博士が赴任し、身分制度が崩壊し、武士だった若者が農業を習うことを嫌っているようなものだった。

 

明治維新となり、一生武士として安閑として暮せた身分制度がなくなり、農家になるという学校に来た学生たちに、クラーク博士は自分の生き様を見せることで、絶望している若者に生きる夢と希望をみずから掴んでもらうようにした。東大が国家のために命を賭けるなら、札幌農学校は民衆のために命を賭けるのだと・・・。

 

こうした講義の合間のお話しの題材のため、植田さんと数時間にも及ぶ話し合いがなされシナリオは出来上がっていった。自分たちの講義を受けた生徒の方が、みずからの人生を切り開くだけでなく、多くの人々の人生をも豊かで満ちたものにできる知恵と勇気を与えることができるよう、僕たちは熱のこもった話を続けていた。

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