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愛国心を煽るのは誰?

江戸時代は約300の藩があった。各地に大名がいて殿様と呼ばれ、殿様のために一命を賭けて奉公するのが武士の仕事。仕官して殿様にお仕えしていれば、一生生活に困らない。愛国心ならぬ、愛藩精神を叩き込まれ、藩のために命を捨てることが潔いとされた。日本各地で戦争になると藩のために必死になって戦った。

 

鹿児島県と山口県の県民はかつて福島県の県民と戦ったが、今はそうした事態にはならない。第一に各県で管理運営している戦争のための兵士や武器弾薬がない。県民は通行手形(パスポート)なしに日本全国に行き、自由に商売や姻戚関係を結ぶことができる。県を愛する県民の感情は、県境でもめるほどのものではない。

 

忠臣蔵では殿様同士の喧嘩から、家臣が仇を討つドラマが毎年のように製作されるが、県知事同志が喧嘩をして腹を切ることもなければ、知事同士の喧嘩で知事が死んでも、リストラされた公務員が他県の知事を集団で殺しに行くことなど考えもしない。赤穂の民が家臣団のような憎しみを抱いてもいない。

 

結局、愛国心を煽るのは、国家体制が崩壊することによって仕事を失う公務員である武士とそのトップである殿様ということになる。廃藩置県、版籍奉還が行われて、その地位を失った公務員である武士たちは、生活に困って西南戦争を引き起こすが、納税している民は政治体制の変化に対応している。

 

領土問題で各国がそれぞれの立場を主張し、それぞれの国民に愛国心を煽り、先導してストライキやデモを行い、あまつさえ戦争も辞さないとする態度をそれぞれの国民に見せびらかして英雄気取りしている政治家と、それを応援している公務員は、自身の生活を守ろうとする行為なのかもしれない。

 

日本が一つにまとまらなければと思った人たちが、藩という小さな独立国家を打ち壊していくように、世界がひとつにまとまらなければと思った人たちが、国家という小さな独立国家を打ち壊して、地球の繁栄を願う時代になりつつある。誰もが、世界中のどこにでも行き、自由に仕事ができて、その土地の人々と幸せに暮らせるようにするのが政治家の務め。

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