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グローバル化と所得格差  

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製品が国内で売れるようになると、海外でも販売してみようとする企業が出てくる。成功すれば、国内のマーケットだけではなくもっと人口が多いマーケットが開けるので多大なる儲けが出てくる。国内で生産したものを海外で販売するとなると、関税がかかるので企業は生産工場をその国に移して生産するようになる。

 

販売している国での生産は、その国の労働者を雇うことになるのでその国からも感謝されるようになる。そのうち、隣の国では関税がかからず生産したものを隣の国に販売でき、しかも、労働賃金は格安になると説明を受ける。儲けが増えるので企業は、その国の工場を縮小して工場を隣国に移転する。

 

工場が海外に移転すると国内で働いていた工員の職がなくなる。ブルーカラー層の仕事がなくなるが、移転した海外では仕事が増えて収入も増えるので、内需が拡大してくる。企業収益は良くなるが、国内では中間所得層の減少が始まる。儲かる企業は管理職の給与をアップすることが出来るので所得格差が広がっていく。

 

多国籍企業で儲かる企業は、配当がよいし株価は上昇するので、株を購入できる人の所得が上がる。低所得の人は株など購入する資金がないので、株を購入するのはお金持ちに限られる。こうしてお金持ちは益々お金持ちになり、貧乏人はコネがないので大学を卒業しても高収入の職に就けず益々貧乏になっていく。

 

グローバル化は所得の配分を海外に移転することで海外に富をもたらすが、国内では仕事をなくす人が増える。仕事をなくした人はそんなに儲からないサービス業に吸収されていくが、所得は儲かる製造業の時より低く抑えられる。しかも、内需は先細りなので業績は芳しくなく昇給はなかなかできない。

 

先進諸国が儲けるには、工場を移転した労働集約型産業ではできない更なる新技術によるサービスや商品の開発が必要になるが、多くの労働者を雇えるようにはならない。多国籍企業となった会社は、創業した国家への貢献よりも、よりグローバルな貢献に軸足を移していくので格差是正は税収によって行うしかなくなる。

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