このサイトはJavaScriptがオンになっていないと正常に表示されません

作る楽しさ(モノ消費からコト消費へ)

 

子供の頃、お年玉をもらうとすぐに文房具店に行きプラモデルを買って楽しんだ方もいるだろう。動力がゴムの模型飛行機を買って製作して広場で飛ばしたこともあっただろう。僕は、家が貧乏だったので建築現場に行って木くずを拾ってきてトンカチやのこぎりを使って棚などを制作していた。

 

昭和30年代、多くの人は自宅で梅干しを漬けたり味噌や紅生姜を作ったり押し鮨を皆さん寄って作っていた。母親は足踏みミシンで洋服を縫ってくれた。祖母は手縫いでどてら(綿入りはんてん)を縫ってくれた。父は縁台を工作していたし、祖父は杵(きね)と臼(うす)でもちをついてくれた。

 

調理を覚えるようになると、レストランに行っても美味しいと食べるだけではなく、どんな調理方法なのかと考えて真似しようと努力するようになる。素敵な洋服を観ると、裏に返してどんな縫製をしているのかと見るようになるし、素敵な家具を観ると、購入するよりも真似をして製作してみたくなる。

 

昭和40年代後半から安い商品がスーパーで売られるようになり、物のない時代だけに大量消費が始まったが誰もが同じ商品を揃えるようになり味気なかった。モノで溢れるようになると、人と同じモノを持ちたいと思う気持ちから、人とは違ったモノを持ちたいと思うようになる。

 

モノが売れないというニュースが頻繁に流れるようになり、大量生産・大量販売されるものは安売りになり、個人の作家が制作したモノは高額でも売れるようになった。還暦を過ぎて体力の衰えを感じるようになると、僕のように自分でモノを作って楽しみたいと思う方も増えてきている。

« »