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不動産の自己所有は債務超過になる恐れあり

 

海外では、中古マンションや中古の戸建ての価格が安定しているが、日本では中古不動産の場合、土地の価格であり建物の価格は30年もするとゼロに近い。むしろ、建て壊しする費用分が土地の値段から差し引かれることすらある。3000万円で購入したマンションが、30年後300万円でしか売れない状態になるかもしれない。

 

人口が増加しているとき、子供たちがドンドン独立して暮らすようになると、不動産は年々値上がりしていたので、借金してでも不動産を手にする方が儲かった。独身の時に小さな新築のマンションをローンで購入して、そこに5年ほど住んで結婚を機に売却して、新しく大きな一軒家に住むのが理想的な不動産の購入の仕方だった。

 

少子化で人口減少。当然、引っ越しや死亡などで空き家が増えているが、新築件数は相変わらず多いので不動産はかなりのハイペースで余ってくる。アパートの家賃も空き部屋が増えれば下がってくる。家賃が下がれば、不動産を購入する人が減少するので不動産価格は下落する。

 

すでに地方では不動産価格は下落している。今後は、都市圏でも一部中心街を除いて不動産価格は下落する。そうなると現在、不動産を購入した人は高値で購入するようになり、売却するときにはかなり低い評価額となり、ローン残高よりも低くなってしまう。つまり、売ればアパート暮らしで売却した不動産の借金返済もあるという状態になる。

 

戦後、男子たるもの働いて不動産を手にすることが成功の証だった。不動産を手にすれば、銀行も笑顔でやってくる、嫁も来てくれる、不動産は高値で売れる。こうした時代を過ごしてきたシニアは、子供たちにも不動産を購入することを勧めるだろうが、時代は変わった。今の2030代の若者は、所有が成功の証だと思っていない。

 

彼らが不動産を購入するのは家賃より安いから。例え35年ローンで、それまで働いていなくても何とかなるだろうという安易な考えが彼らを不動産購入に突き動かす。家賃は、これから安くなるし移転しやすい。老後の資金は貯えなければならないが、不動産を売って負債が残るよりましになるだろうが、それを予測できない。

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