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「おい、お茶!」はダメ

欧米では家族であってもお互いに「メリー」「マイク」などと名前で呼び合う。日本では、付き合い始めは「田中さん」などと姓で呼び、深く付き合うようになると「幸子さん」「直樹さん」などと優しく名前で呼び合うようになる。

そして、結婚するとお互いに名前では呼び合わなくなり、「おまえ」「あなた」になり、熟年夫婦になると、「おい」「は~い」と呼び合うようになってしまう。ひどい場合は、「こらっ」と妻を呼び、「幸子!」と言うときはよほど怒っているときだけ。

「おい」「こらっ」と言われている妻でも、外に出て働くと、「鈴木さん」と言われるようになり自分には姓があったのだと初めて思う。例え夫婦であっても礼儀正しい仲であれば、相手を呼び捨てにはしない。

「私にだって親がつけてくれた名前があるのよ!」と、言いたくもなるのをグッとこらえて「は~い」と言っているのがわからない。その自分勝手な態度こそが夫婦の愛情を削ぐことになっているとはつゆとも思わない。

いつも呼び捨てにされていれば、愛情は枯れ果てて、自分はこの人のいったい何だろうと疑問に感じても不思議ではない。礼儀作法は、その人へのいたわりや優しさの表現であり、愛情が枯れ果ててから反省しても遅い。

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